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顔面麻痺急性期における鍼治療の手法は様々です。かつては、できるだけ早く顔の筋肉を動かせるようになるのが良い治療とされていた時代もあり、一部で「鍼通電療法」や「顔全体を強く動かす運動療法」が行われていました。しかし、今日では病的共同運動を誘発する可能性があるため禁忌となっています。

現在、神経損傷を伴うような顔面神経麻痺の治療は、(1)神経を保護する。(2)神経再生を促す。(3)表情筋の拘縮を予防する。(4)病的共同運動を予防する。(5)表情筋の筋力を回復させる。といった一連の治療プロセスが重要となっています。なかでも、表情筋の拘縮予防、病的共同運動の予防は、患者さんの生涯を左右する問題となります。

当院では、
首(耳の下)に鍼をすることで顔面神経管内の神経虚血を改善し、表情筋の動きを見極めつつ、表情筋拘縮・病的共同運動を予防する一連の治療プログラムを行っています。当院は施術者全員がマッサージ師の国家資格を所有しておりますので、表情筋に対する治療的マッサージにも力を入れています。(法律上マッサージを施行するにはマッサージ師の免許が必要です。)。

治療の内容としましては、顔にしっかりと鍼をする治療、または表情筋のマッサージを中心に顔には鍼をしない治療(顔の鍼が怖いという場合や、残念ながら主治医から顔には鍼をしてはいけないと言われる場合もありますので、、、。)の2コースがありますので、ご相談ください。発症から3週間~1カ月経過しても麻痺側の表情筋が動き出さない場合など、当院の治療は良い適応となると思います。

顔面神経麻痺の鍼治療

初診の患者様へ
初診時に、発症の経緯、及び病院の検査結果、治療経過をお伝えください。 特に、電気生理学的検査(EnOG)の結果は、後遺症への対応を考慮する意味でも非常に重要なデータとなります。また、現在服用中のお薬なども伝えください。 

鍼治療を受けるのに適した時期

当院では、顔面神経麻痺発症初期からの急性期治療に力を入れていますので、ステロイド服用中などでも鍼治療をご検討ください。発症から数年経過した方でも、症状の改善が得られる場合がありますので是非ご相談ください。 

◆顔面神経麻痺の治療費用
・所要80分
・費用
(1)7000円(税込
)
(2)6000円(税込)

・初回別途初診料1000円
・予約制 TEL 03-5375-2040

顔面神経麻痺治療の流れ
(1) 問診
(2)うつ伏せ位で鍼治(首肩背中)
(3) 仰向けで
 ・顔への鍼治療 
 ・表情筋マッサージ

病的共同運動と表情筋拘縮の予防

当院では、重度顔面神経麻痺において発症直後から1年以上にわたり治療を行ってきた10名の患者さんの治療経験を元に顔面神経麻痺における病的共同運動・筋拘縮予防に取り組む治療プログラムを行っています。

もし顔面神経麻痺になたら

顔面神経麻痺(急性期)は神経の損傷度合によって、予後の予測が大きくことなってきます。多くの場合、数週間~数カ月を経て元の正常な状態へと、自然に回復していきます。

一方で神経損傷の度合いが強い場合は、表情筋が動かせるようになるまで長い期間を要します。そして、回復過程において生じる後遺症が問題となります。それが病的共同運動と筋拘縮の出現です。

顔面神経麻痺発症時は、まず第一に神経の炎症や圧迫を抑制し、神経へのダメージを最小限に抑える目的で、ステロイド療法や抗ウィルス薬による治療が行われます。その後、医療機関によっては、電気生理検査などにより、予後の予測が行われます。もしこの時に検査数値が思わしくない場合は、医師からいくつかの指示が与えられることでしょう。

一つは「こまめに顔のマッサージを行うこと」、もう一つは「顔を不用意に動かさないこと」です。尚、当院では表情筋に電気を流して他動的に動かす「通電療法」や顔全体を動かすような「運動療法」は、病的共同運動を顕著化させてしまう可能性があるので絶対に行いません。

さて、顔面神経麻痺の神経再生過程における自己マッサージの手法は、本やネット上にも情報がありますので、比較的わかりやすいと思います。一方、顔の筋肉を極力動かさない生活方法については医師からも具体的な説明があまりないことも多く、生活上どのようなことに注意すれば病的共同運動の出現を最小限に抑えられるのか、途方に暮れる患者さんも少なくありません。

仕事や家事・育児を行いながら、日々マッサージを行い、かつ数カ月にわたり、表情筋を不用意に動かさない生活を送るのは、現実的に困難を要します。しかし、生涯残ってしまうかもしれない後遺症を最小限に抑えることができるなら、発症から数カ月の間は、そのような困難にも向き合って欲しいと思います。

当院は、多くの治療経験から、重度顔面神経麻痺の神経回復過程におけるケアサポートを患者さんと二人三脚で行っております。

神経はどこに向かって伸びるか

顔面神経管内で断裂した神経線維は、かつての痕跡を頼りに、再び新たな根を伸ばしていきます。本来、末梢神経は損傷しても元通りに復元する能力を有しているとされます。

ですから、完全麻痺となった患者さんでも、継続的に治療を行ていく中で、「目が閉じられるようになりました。」「口から水かこぼれなくなりました。」など、喜びの声を頂きます。

しかし、ここから重要な局面に入っていくのです。それは、顔面神経は、手や足の神経とは性質や環境が大きく異なり、必ずしも元通りに復元されるとは限らないという問題点です。

過去の認識では、顔面麻痺の治療=早く顔の筋肉を動かせるようにすることが良い治療とされ、通電療法や過度の運動療法が一部でおこなわれていました。結果として、不自然な筋運動の誘発によって、病的共同運動や筋拘縮を強めてしまっていたのです。

病的共同運動を最小限に抑える

重度の顔面麻痺の場合、数カ月という長い時間を経て、徐々に顔が動くようになってきます。そして、多くの患者さんは顔の中で、動きやすい部位と動かしにくい部位を感じるようになります。

神経は、よく動かす部位に向かって根を伸ばそうとする性質があります。

例えば、まだ口はうまく動かせないが、瞬きがし易くなってきた患者さんは、口を閉じたいと思う際、無意識に目のまわりの筋肉を収縮させてしまいます。これは、特定の動作を行う際、主たる筋肉が麻痺している場合、周囲の筋肉が動きを代償しようと強く収縮する生理的作用によるものです。

つまり、目の周りが動かしやすくなった患者さんは、口を動かす度に、目の周りの筋肉を収縮させてしまうのです。これにより日常生活において、目の周りの筋肉が頻回に動いてしまうことになります。必然的に、神経線維は目の周りの筋肉に向かって根を伸ばしてしまいます。

逆に、口が動かしやすくなってきたが、目が閉じられないといった場合は、目を閉じようとする際に、頬の筋肉を引き上げて目を閉じようとしてしまいます。

特に目が閉じにくい場合は、ドライアイや角膜炎による目の表面の痛みが生じやすいため、無理に頬を引き上げて目を塞ごうとしてしまうことが多いようです。

神経再生過程では、部位的な再生のタイムラグが生じます。結果的に、無意識ですが動かしやすくなった筋肉を、他の動作に関連させて頻回に動かしてしまうのです。このような習慣により、神経は誤った方向へと根を伸ばしてしまうリスクが高まってしまいます。

ですから、完全麻痺の場合は、顔が動き出す瞬間に備えて、前もって病的用同運動の予防についての認識を深めておく必要があるのです。日本には顔面麻痺の治療を行う様々な治療院がありますが、是非上記のような考えを持った先生の治療を受けるようにしてください。当院では、鏡や動画撮影を駆使して、表情筋の動作認知療法を行う場合もあります。